Hungerford4章読む(12/15)その2
これは「今年中にHungerford4章読むぞ Advent Calendar 2021」15日目の記事です。
前回で一般には加群の短完全列がHomの短完全列を誘導しなさそうだと言いましたが、今回はHomの短完全列が構成される例を見て行きます。また、前回に引き続き大文字などは、特に何も言わなければ環上の加群を指すことにします。
P4.4は短完全列が分裂する場合です。すなわち、が分裂列であることと、が分裂列になること、同様にが分裂列になることがそれぞれ同値だと言っています。すでに左完全なのはわかっているので、右端の写像が全射であることが言えればいいです。逆に、例えばから言う場合は右端が単射であることを言えばいいです。
T4.5は射影的加群の場合はが完全列ならばが完全列になると言っています。特にが射影的であることと、全射に対して誘導写像が全射になることが同値であることに注意します。
P4.6は単射的加群の場合です。特にが単射的であることと、単射に対して誘導写像が全射になることが同値であることに注意すると、上の場合と同様に、が完全列ならばが完全列になります。
今日の最後に、直和や直積に対してHomがどう計算されるかを見て終わりにします(T4.7)。すなわち、上加群の族に対して、以下のアーベル群の同型が成立します。
が有限の場合直和と直積は同じことを言っていますが、無限の場合、直積を直和に置き換えることはできません(加群の直和=加群の弱直積;直和からの準同型で和の交換が起きるので非零成分が有限個しか許されない)。直和・直積の普遍性と同じ向きをしているので特に混乱はしなくてよさそうですね。
いままで4日/節ペースを辛うじて死守してたのに…
明日も頑張ります。