Hungerford4章読む(12/15)

これは「今年中にHungerford4章読むぞ Advent Calendar 2021」14日目の記事です。14日目…?


今日はT4.3まで読みました。前回の \mathrm{Hom}が完全列に対してどう振る舞うかを見ていきます。大文字 A,B,C,...などは、特に何も言わなければ環 R上の加群を指すことにします。

T4.2は完全列 0 \to A \stackrel{\phi}{\to} B \stackrel{\psi}{\to} Cがあることと、アーベル群の完全列 0 \to \mathrm{Hom}_R (D,A) \stackrel{\bar{\phi}}{\to} \mathrm{Hom}_R (D,B) \stackrel{\bar{\psi}}{\to} \mathrm{Hom}_R (D,C)が任意の Dについて成立することが同値だと言っています。対して、 A \stackrel{\theta}{\to} B \stackrel{\zeta}{\to} C \to 0の場合は(予想を裏切って)同値な条件は 0 \to \mathrm{Hom}_R (C,D) \stackrel{\bar{\zeta}}{\to} \mathrm{Hom}_R (B,D) \stackrel{\bar{\theta}}{\to} \mathrm{Hom}_R (A,D)となります(T4.3)。これらを \mathrm{Hom}_R (A,B)が左完全であるといいます。
証明ですが、T4.2は誘導される写像の向きが同じなので素直に計算していけばよさそうです。誘導写像はただの写像の合成なので、結合法則を考えれば \bar{\psi} \bar{\phi} = \bar{\psi \phi}となることは一応注意します。T4.3は少し複雑で、剰余を考える必要があります。これはT4.2の \bar{\phi} f = \phi fに対して \bar{\zeta} f = f \zetaと合成の順番が逆向きなので、( \phiの)核の代わりに( \zetaの)余核を考える必要があるから…っぽい気がします。多分。

T4.2、T4.3を見ると、加群の短完全列がHomの短完全列を誘導することはなさそうに見えます。次のP4.4~P4.6でHomの短完全列が構成される例を挙げているのですが…ちょっと時間がないのでここまでにします。


ちょっと体力が回ってなくて一気にペースが落ちてるので25日に収まらないかも…

明日も今日こそ頑張ります。